【5月7日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は6日、自身の掲げる2兆3000億ドル(約250兆円)規模のインフラ投資計画について、中国に「経済的な利益を奪われている」ことを踏まえ、米経済再生のために承認する必要があると議会に警告した。

 バイデン氏は、共和党支持者が多いルイジアナ州レイクチャールズ(Lake Charles)で演説。インフラ投資計画について、危険な橋や道路を修繕するだけでなく、国際舞台で米国の優位性を確保するためのものでもあるとアピールした。

 この計画は民主党議員には支持されているが、共和党議員はとめどない支出だとして反対するか、規模を大幅に縮小すべきだと主張している。

 バイデン氏は、道路などの従来のインフラに加え、ブロードバンドインターネットや電気自動車(EV)の研究開発などにも資金を投じるこの計画は成果をもたらすと主張。「モノを動かし、職を生み、国際競争力を高めるために米国を再建し、経済を活性化させることを目的とした、ブルーカラーの青写真」だと述べた。

 バイデン氏は、国内には老朽化が激しい橋があり、修繕だけでなく架け替えが必要だと主張し、一例として、演壇の後方に架かる築70年のカルカシュー川橋(Calcasieu River Bridge)を挙げた。

 同氏はインフラ整備の財源を賄うため、連邦法人税率を21%から28%に引き上げる方針も示しているが、共和党は反対している。

 さらに、教育や社会保障の拡大を掲げる1兆8000億ドル(約197兆円)規模の「米国家族計画(American Families Plan)」についても支持を訴えた。財源は、最富裕層への増税で賄うとしている。

 バイデン氏は研究開発に焦点を当てた新しいビジョンが必要だと主張し、理由として「中国に経済的な利益を奪われている」ことを挙げ、「中国は研究に何千億ドルも投資している」と述べた。

 さらに、「このままでは、中国が世界の電気自動車市場を支配してしまう」と指摘し、「わが国が立ち向かわなければならない」と述べた。(c)AFP