【5月6日 AFP】米国防総省は5日、中国の大型ロケット「長征5号B(Long March 5B)」が制御不能状態で今週末にも大気圏に再突入するとみられるとして、軌道を追跡していると明らかにした。ロケットは人が住む場所に落下する恐れもあるという。

 同省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は、ロイド・オースティン(Lloyd Austin)国防長官がこの問題について「把握しており、宇宙軍が追跡に当たっていることを認識している」と述べた。大気圏への再突入は8日ごろになる見通しだという。

 中国は先月29日、三つのモジュールで構成される独自の宇宙ステーションCSSの最初のモジュールを、長征5号Bに搭載して打ち上げた。

 同ロケットは大気圏への再突入でばらばらになり、地表には小さな破片しか落下しないという見方もある。仮にほぼ完全な状態を維持したとしても、海に落ちる可能性が高いが、民家や船舶の上に落下するリスクもゼロではない。

 中国の宇宙船などが、帰還の際に制御不能になるのはこれが初めてではない。2018年には、宇宙実験室「天宮1号(Tiangong-1)」が、運用停止から2年後に大気圏に再突入し、燃え尽きた。だが中国は当時、天空1号が制御不能に陥っていたとは認めていなかった。(c)AFP