【5月6日 AFP】南アフリカ・ヨハネスブルクで5日、伝統衣装のヒョウの皮を身に着けた国内最大民族ズールー(Zulu)の人々が、先月30日に65歳で死去した摂政女王の遺体がある安置所の外に集まった。

 シイウェ・マントフォンビ・ドラミニ・ズールー(Shiyiwe Mantfombi Dlamini Zulu)女王は数週間前、3月に亡くなった夫のグッドウィル・ズウェリティニ(Goodwill Zwelithini)王の後継者として暫定的に指名されたばかりだった。

 葬儀を翌日に控えたこの日、ズールー人らは歌ったり、踊ったりしながら、ヒルブロウ(Hillbrow)地区を行進し、遺体安置所を目指した。

 ズールーの戦士らは、ヒョウ皮のポンチョと頭飾りをまとい、こん棒と動物の皮でできた盾を手にしていた。

 若い女性は色とりどりのミニスカートとビーズの飾りを、年上の既婚女性は頭に布を巻き、模様の入ったショールを着けていた。

 ズウェリティニ王は3月12日、糖尿病の合併症で72歳で亡くなった。在位期間は50年と、ズールー史上最長だった。

 王には6人の妻と28人の子どもがあり、王の死は激しい後継争いを引き起こした。

 王は遺書で、3番目の妻で隣国エスワティニのムスワティ3世(Mswati III)のきょうだいでもあるドラミニ・ズールー王妃を、正式な後継者が決まるまでの暫定的な後継者に指名していた。

 だが、ドラミニ・ズールー女王は先月、病院で急死した。王族の一員が毒殺したのではないかという疑惑が浮上したが、王室はこれを否定している。

 さらに1番目の妻、シボンギリ・ドラミニ(Sibongile Dlamini)王妃は遺書の正当性に疑問を示し、合法的な配偶者は自分だけだと認めるよう求めた。

 ズールーの王は執行権を持たないが、カリスマ性があったズウェリティニ王は南アフリカの総人口の5分の1近くに当たる、1100万人以上のズールーに影響力を持っていた。(c)AFP