【5月6日 People’s Daily】また渡り鳥の移動季節がやってきた。先日、中国国家林業・草原局が会議を招集し、渡り鳥などの野生動物保護を手配した。多くの地域でも各種措置を採用し、渡り鳥の移動を守ろうとしている。江西省(Jiangxi)南昌市(Nanchang)青山湖区の天香園は渡り鳥の移動経路上重要な休憩地であり、渡り鳥が順調に休憩地に入れるよう、同市は近ごろ市街地建設計画で、上空に渡り鳥が市街地を横切って移動するための専用ルートを設けた。このルートは鄱陽湖を起点として、直接天香園内に至り、渡り鳥にグリーンロードを提供している。

 南昌市のやりかたは特殊なものではない。中国は生息する鳥類の種類が最も多い国のひとつで、鳥類の現有種は1445種にのぼり、そのうち渡りの習性を持つものは800種あまりである。また中国は世界中の渡り鳥の移動ルートが4本も交錯しており、毎年渡りの季節には非常に多くの渡り鳥が中国を経由する。

 中国が生態系を尊重する文明建設にまい進する中、人々の愛鳥意識もまたアップグレードしてきた。鳥類の繁殖地、越冬地の保護に力を入れる以外にも、渡り鳥の移動が持つ法則や特徴に焦点を当て、渡り鳥の移動ルートになっている省が主体となった移動中の渡り鳥の保護も絶え間なく広がってきた。例えば、去年の秋は雨による霧が多く発生し、湖南省(Hunan)藍山県(Lanshan)では低空飛行をせざるを得ない渡り鳥が広場のハイビームライトに視線を取られて方向が分からなくなってしまうことがあった。この状況が判明してから、藍山県の市街管理総合法律執行局は連続3日間広場のハイビームライトと一部の街灯、高層建築のネオンサインなどを消して、渡り鳥が正常に飛行できるよう計らった。

 渡り鳥のスムーズな渡りを助けるため、土地柄に応じて保護措置を設ける地域もある。上海市にある崇明東灘鳥類国立自然保護区は移動中の渡り鳥にとって重要な補給地点であり、毎年100万羽以上の渡り鳥が休憩し越境する。しかし、この渡り鳥の「補給地点」はかつて外来種植物の侵襲を受け、渡り鳥が食べる水草が激減してしまったことがある。そのため、地元では植物を効率的に管理し、外来種を取り除いて渡り鳥の食物を守った。

 移動する渡り鳥は一年また一年と、過酷な旅を続ける。このように渡り鳥の「補給地点」がますます増えることで、彼らの移動ルートが守られるのである。(c)People’s Daily/AFPBB News