■テキサス州は風力エネルギーで全米1位

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領の提唱するクリーンエネルギー革命は、テキサス州ではかなり進んでいる。化石燃料で知られる同州だが、2000年代初頭から再生エネルギーに多額の投資を行い、発電量に関して、全米で風力エネルギーでは1位、太陽光エネルギーでは2位になっている。

「一般的な見方に反して、テキサス州知事(で米大統領)だったジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)氏も、後任のリック・ペリー(Rick Perry)氏も、テキサスを石油だけに依存させたくないという考えを持っていた」と米サウスウエスタン大学(Southwestern University)のジョシュア・ロング(Joshua Long)准教授(環境問題研究)は指摘する。歴代の知事は「テキサスを、エネルギー源が多様な『エネルギー州』と見ていたから」だという。

 しかし、ヘルマーズさんが石油に見切りをつけて風力発電にシフトチェンジしたのは、環境への配慮が動機ではない。