【5月5日 AFP】ボクシングの世界スーパーミドル級王座統一戦で、WBA・WBC王者のサウル・アルバレス(Saul Alvarez、メキシコ)と対戦するWBO王者のビリー・ジョー・ソーンダース(Billy Joe Saunders、英国)が4日、まるで「電話ボックス」だと試合が行われるリングの狭さに不満をぶちまけ、改善されない場合は対戦を拒否する可能性を示唆した。

 ソーンダースは8日、米テキサス州アーリントン(Arlington)のAT&Tスタジアム(AT&T Stadium)で「カネロ(Canelo)」ことアルバレスと対戦する。このファイトには、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)が始まって以降では最大となる6万人以上が観戦に訪れる見通しになっている。

 ところがソーンダースは、リングのサイズが一辺16フィートから18フィート(約4.9から5.5メートル)しかないと批判し、予想していた24フィート(約7.3メートル)よりもかなり小さいと主張している。

 ソーンダースは英ラジオ局トークスポーツ(talkSPORT)の番組で「問題は、こっちへ来たらボクシングリングという名の電話ボックスに放り込まれそうになっていることだ」と語った。

「自分としては全く受け入れられない。こちらは24フィートのリングを望んでいるが、そうはならないと言われているのが現状だ。とはいえチームに任せているし、きっと解決してくれるだろう。そうでなければファイトは実現しない」

 ソーンダースの発言は試合前の心理戦にすぎないとみる向きもあるが、本人は本当に不満を持っていると強調し、「こっちへ飛んできたら、このリングを見せられた。とにかくあり得ない。合宿ではずっと24フィートで練習してきたんだ。これは統一戦で、英国内のタイトル戦じゃない。陸上でも200メートルのトラックで練習するのと、400メートルのトラックで練習するのとでは全然違う。それと同じだ」とコメントした。

 4日に予定されていたフェースオフ撮影を欠席したソーンダースは、狭いリングはアルバレスの攻撃的なスタイルを生かすためのものだと考えている。

「向こうは様子見をせずにこちらへ向かってくる作戦だろう。一方で自分は動きまわり、離れて戦う自分のボクシングをするスペースがほしい」

「世界タイトル戦や、統一戦はどれも広いリングでやっている。18フィートのリングでやる統一戦が過去にあったなら教えてほしいよ」 (c)AFP