【5月11日 AFP】新型コロナウイルスワクチンの世界での接種回数が先月末、10億回を超えた。だが、この地球上すべての地域にワクチンを届けることはそう簡単ではない。

 トルコの医師セルガン・サラジオウル(Sergan Saracoglu)さんは、ワクチンの接種を推し進める任にあるが、山岳地帯の厳しい天候とワクチンへの恐怖という二つの障壁に立ち向かっている。

 注射器が詰まった金属ケースを背負って山を登り、サラジオウルさんは恐れる住民を説得して回る。

 コロンビアの先住民ミサック(Misak)の看護師、アンセルモ・トゥヌバラ(Anselmo Tunubala)さんにとっても、ワクチンに対する人々の懐疑心が最大の問題として立ちふさがる。ミサックの人々はこれまでずっと、植物を用いる伝統薬と共に生きてきたのだ。

 日本も例外ではない。過疎化が進む地方でのワクチン接種は大きな課題となっている。

 緑豊かな山々に囲まれた長野県北相木(Kitaaiki)村では、人口700人強の約3分の1が65歳以上の高齢者で、接種を担当する医師は、松橋和彦(Kazuhiko Matsuhashi)氏ただ一人だ。

 1日あたり数十人に接種するという松橋医師だが、一人一人細やかに対応できることは、ここでのワクチン接種の強みだと思うとAFPに語っている。

 世界で進むワクチン接種の中から、印象的な写真をまとめた。(c)AFP