【5月4日 AFP】アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官は3日、先進7か国(G7)外相会議に出席するため訪れている英ロンドンで、日韓両国の外相と米国の新たな北朝鮮政策について協議するとともに、北朝鮮に対し対話を受け入れるよう呼び掛けた。

 G7外相会議は2年ぶりに対面形式で行われる。会議には、インド、韓国、南アフリカと、東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国のブルネイも招待され、北朝鮮の他、ロシア・中国との緊張の高まりや、イラン核合意の立て直しに向けた外交的措置も協議される。

 ブリンケン長官は、滞在するホテルで日韓両国の外相とそれぞれ個別に会談し、ジョー・バイデン(Joe Biden)政権が行った北朝鮮政策見直しの結果を共有した。

 バイデン氏の前任であるドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領は、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-un)朝鮮労働党総書記と3度にわたり会談するなど、極めて個人的な関係を構築。一方、その前任のバラク・オバマ(Barack Obama)元大統領は、北朝鮮の行動が変わるまで距離を置く「戦略的忍耐」の方針をとっていた。

 バイデン政権はトランプ氏の方針から離れつつも、同氏とオバマ氏の中間をとり、北朝鮮との対話を探る方針を表明。北朝鮮は2日、この新方針について、米国の「敵対的行為」を隠すための「偽りの看板」だと非難していた。

 米国務省の発表によると、日本の茂木敏充(Toshimitsu Motegi)外相と韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン、Chung Eui-yong)外相はブリンケン長官との会談で、朝鮮半島非核化の目標で一致した。3氏は5日、3者会合に臨む予定。

 ブリンケン長官は日韓外相との個別会合に続き、英国のドミニク・ラーブ(Dominic Raab)外相とも会談。その後開いた記者会見で、「北朝鮮が外交的な関わりの機会を受け入れ、朝鮮半島の非核化を完了するという目的に向け前進する方法を探ることを望む」と表明。「そうした条件での関与を望むかどうかは、北朝鮮が決めることだ」と述べた。

 ブリンケン長官はさらに、軍事クーデターにより混迷が深まるミャンマー情勢について、日本とブルネイの両国と協議した。日本は、2月1日にクーデターを起こしたミャンマー国軍との間に比較的開けた接触ルートを保持している。

 米国務省によれば、ブリンケン長官と茂木外相は、「ビルマ(ミャンマーの旧国名)を民主制に向けた道へと戻し、軍事政権に責任を負わせる喫緊の必要性を協議」した。(c)AFP/Shaun TANDON