【5月3日 AFP】反政府武装勢力との戦闘でイドリス・デビ(Idriss Deby Itno)大統領が死亡したアフリカ・チャドの暫定軍事政権は2日、民政移管へ向け、移行政府の閣僚人事を発表した。軍の報道官が明らかにした。

 大統領死亡を受けて権力を掌握した暫定軍事評議会(Transitional Military Council)に対しては、野党から「制度的クーデター」だとの批判が噴出。軍事評議会は18か月以内の民政復帰を約束していた。

 暫定軍事評議会の報道官は、テレビで声明を発表し、デビ氏の息子で暫定指導者になったマハマト・イドリス・デビ(Mahamat Idriss Deby)氏(37)が大臣と副大臣ら40人を指名したと明らかにした。

 マハマト氏は国民の和解に向けた取り組みを担う新省を設置し、元反政府勢力トップで2019年に大統領の外交顧問に就任したアシェイク・イブン・ウマル(Acheick Ibn Oumar)氏を担当閣僚に指名した。

 野党議員として長年活動してきたサレー・ケブザボ(Saleh Kebzabo)氏は閣僚に指名されなかったが、暫定政権を承認する意向を示した。

 法相には、同じく有力野党議員のマハマト・アハマト・アルハボ(Mahamat Ahmat Alhabo)氏が任命された。

 人口約1600万人のチャドは、30年間にわたり国を統治し、4月11日の大統領選では6選目が決まっていたデビ氏の死で混乱に陥った。

 2日の閣僚人事発表に先立ち、暫定軍事政権はデビ氏の死後に出された夜間外出禁止令を解除すると発表した。(c)AFP