【5月3日 AFP】ドイツサッカー連盟(DFB)のフリッツ・ケラー(Fritz Keller)会長が、副会長をナチス・ドイツ(Nazi)時代の裁判官に例えたことで大きな批判を浴び、辞任の圧力にさらされている。

 ケラー会長は先日行われた会議で、ライナー・コッホ(Rainer Koch)副会長をローラント・フライスラー(Roland Freisler)になぞらえた。フライスラーはナチス政権下で人民法廷の長官を務めた悪名高い人物で、1100万人のユダヤ人の強制収容所送りを決めた1942年のバンゼー会議(Wannsee Conference)にも参加している。

 猛烈な批判を呼んだことを受け、ケラー会長はコッホ副会長に謝罪しつつ、「特にナチズムの被害者の皆さんに対して、極めて不適切だった」と認めたが、発言の責任を取って辞任することは否定した。副会長は謝罪を受け入れたかを明らかにしていない。

 しかし2日、DFB傘下で各地のセミプロリーグやアマチュアリーグを運営する五つの地方サッカー協会、また21の州サッカー協会のトップがコメントを発表し、週末に緊急会議を行った結果、ケラー会長への信任を撤回して「辞任を要求している」と明かした。

 他には、DFBのフリードリヒ・クルチウス(Friedrich Curtius)事務局長も信任の喪失による辞任を求められている。

 協会側の発表文では、ケラー会長の発言は「絶対に受け入れられない」もので、「最も強い言葉」で非難すると書かれている。会長とクルチウス事務局長は、辞任要求について検討する時間がほしいと話しているという。(c)AFP