【5月3日 AFP】イタリアのダリオ・フランチェスキーニ(Dario Franceschini)文化財・文化活動・観光相は2日、首都ローマにある古代ローマ遺跡コロッセオ(Colosseum)に床を設置する「復元」プロジェクトの概要と受注業者を発表した。新しい床は2023年にも完成し、かつて剣闘士や奴隷たちが運命の時に臨んだ闘技場の中央からの眺めを、観光客が追体験できるようになる。

 約2000年前に建造されたコロッセオに現在、床はなく、小さな舞台がある以外は地下の壁やトンネルが露出している。

 政府が昨年募集したプロジェクトのコンペで、11の提案の中から、木製の回転式の羽板により地下への自然換気と採光を可能にするミラノの設計・建設会社の計画が選ばれた。

 フランチェスキーニ氏は、「闘技場の再生に向けた新たな一歩であり、考古学的構造物の保存に寄与しつつコロッセオ本来のイメージと複雑な空間演出装置の本質を取り戻す、野心的なプロジェクトだ」と述べた。

 プロジェクトを担当する考古学者のアルフォンシーナ・ルッソ(Alfonsina Russo)氏によると、闘技場の改修工事は年内~来年初頭に着工する予定。広さ3000平方メートルの床は2023年の一般公開開始を見込んでいる。

 採用された設計では、耐久性を高めた木材アコヤを用いて完全に取り外せる構造の床を設置。雨水を集めて観光客用トイレに使用する。(c)AFP