【5月5日 Xinhua News】中国科学院院士(アカデミー会員)で層位古生物学者の沈樹忠(Shen Shuzhong)氏はこのほど、出演した公開番組で、貴州省(Guizhou)貴陽市(Guiyang)の貴陽竜洞堡国際空港のトイレで使われている壁用石材が、約4億4千万年前の腕足動物の化石を含んでいたことを明らかにした。腕足動物の化石は省内に広く分布しており、一定の観賞価値があることから大理石板に加工され、建築資材として使われることが多い。

 同空港の一部トイレでは、腕足動物の化石を含む石材が水洗トイレの便器や床、壁などに取り付けられており、黒い石材は三日月形や貝殻形などの白い模様が施されていた。

 空港関係者は、この石材が正規ルートで購入したもので、市場でもよく見られると述べた。

 沈氏によると、同空港のトイレにあった化石は、約4億4千万年前の五房貝目(Pentamerida)石阡(せきせん)擬殻房貝(Paraconchidium shiqianensis Rong, Xu, Fanget Yang)で、1974年に中国科学院南京地質古生物研究所の戎嘉余(Rong Jiayu)院士らが確認した。貴陽省の石阡県や湄潭(びたん)県、遵義(じゅんぎ)市などでよく見られ、嵐などによって海の浅瀬に堆積して化石となったとされる。(c)Xinhua News/AFPBB News