【5月1日 AFP】ボクシング、WBC世界ヘビー級王者のタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)のプロモーターを務めるボブ・アラム(Bob Arum)氏は、7月か8月に予定されているWBAスーパー・IBF・WBO同級王者のアンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)とのメガファイトが「暗礁に乗り上げている」と明かした。 

 サウジアラビアが開催に向けて大金を提示していると伝えられているこの一戦は、最終契約が遅れているにもかかわらず、先月29日にはジョシュア側のプロモーターであるエディー・ハーン(Eddie Hearn)氏が、実現に「100パーセント確信がある」と述べていた。

 しかし、アラム氏は交渉が期限に間に合わない見通しを理由に、両陣営にそれぞれ別のファイトを組むよう提案し、「これほど大きな契約だと、サウジ側が詳細な調査を行うには数か月はかかるだろう」と英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)に語った。

 さらに、「会場費のことだけではなく、サウジからは放映権や他のことに関して付随する要求が来ている。それらが全て解決するには数か月は必要だ。現在の様子では、2022年までかかるかもしれない」と明かし、「われわれからすれば、7月か8月の開催は暗礁に乗り上げている。中東でのファイトの交渉が決着するまで、両ファイターは今夏に別のファイトに臨むべきだ」との見解を示した。

「契約は完了したというハーン氏の話はばかげている。これまでに持ち上がった他の複雑な事情もなく、現地との契約を完了していたら、とっくに試合は行われているだろう。タイソンはこの件に腹を立てていて、このまま待ち続けることを拒否している」

 ヘビー級の全四つの主要タイトルを分け合っている両者の対決は、ボクシング史上最も巨額なファイトになるとみられている。(c)AFP