【5月1日 AFP】ブラジルは4月30日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による1日の死者数が2595人を記録した。4月の死者数は8万2266人となり、1か月の死者数は2か月連続で最多を更新した。

 ブラジル保健省によると、3月の死者数は6万6573人だった。人口2億1200万人のブラジルでは先月29日、新型コロナウイルスによる累計死者数が40万人を超えた。人口10万人当たりの死者数は、世界最多レベルの189人。

 ブラジルは、より多くのワクチン確保に尽力している。また、ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領の対応が新型コロナの状況を悪化させた可能性について、上院による調査が行われている。

 ブラジルは今年に入って感染者が急増。昨年12月にアマゾンの熱帯雨林があるマナウス(Manaus)やその周辺で発生したとみられているブラジル変異株「P1」が、最近の感染急増の一因だと考えられている。

 この変異株は、従来の株に感染した人にも再び感染するとみられ、従来株よりも感染力が強い恐れがある。

 専門家らは感染の波のピークは過ぎたとしているものの、多くの地域の病院が医療崩壊寸前に追い込まれている。

 ブラジルで1回目のコロナワクチン接種を受けた人は、人口の13%以上に相当する約2900万人で、2回目の接種も済ませたのは約1300万人。

 しかしテレビ網グロボ(Globo)によると、ワクチンが不足しているため、ブラジルの全27の州・連邦地区のうち14で2回目の接種が停止されている都市がある。(c)AFP