【5月1日 AFP】昨年11月に死去したサッカー元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏は、不十分な医療体制の下で長期にわたり「見殺し」にされたと、医療委員会が30日に結論づけた。

 70ページに及ぶ報告書の中で委員会は、心臓発作により60歳で死去したマラドーナ氏について、亡くなった状態で発見される「少なくとも12時間前から死に向かい始めた」と記した。

 また、適切な医療施設で充分な治療を受けていれば、マラドーナ氏が「生存する可能性は高まっていた」と強調。母国ブエノスアイレス郊外の高級住宅地に家を借り、在宅医療を受けていた当時の同氏は「知的能力を存分に発揮できる」状態になく、治療場所に関する決定を本人に委ねるべきではなかったとの見解を示した。

 マラドーナ氏への治療は「欠陥と不規則なこと」が多く、医療チームが同氏を「見殺し」にしたとも指摘された。

 20人の専門家で構成される医療委員会は、マラドーナ氏の死因究明と過失の有無を捜査するため、アルゼンチン検察によって招集された。

 死の数週間前に血腫を除去する脳手術を受けていたマラドーナ氏の死をめぐっては、主治医で神経外科医のレオポルド・ルケ(Leopoldo Luque)氏をはじめ、精神科医のアグスティナ・コサチョフ(Agustina Cosachov)氏、心理士のカルロス・ディアス(Carlos Diaz)氏、看護師2人、看護コーディネーター1人、医療コーディネーター1人が捜査対象となっている。

 捜査次第では過失致死で裁判にかけられ、有罪の場合は最大で禁錮15年の可能性がある。

 マラドーナ氏の元広報担当者であるセバスチャン・サンチ(Sebastian Sanchi)氏は、AFPの取材に対して、「物事が適切に行われていなかったと委員会が言っているのは明白だ」と述べた。(c)AFP