【4月30日 AFP】インド国内の新型コロナウイルス感染者・死者が過去最多を更新する中、東部・西ベンガル(West Bengal)州で29日、約1か月にわたる州議会議員選挙が最終投票日を迎え、数百万人が投票した。

 気温が上昇する中、投票所には有権者の長い列ができた。

 農村部ではソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を守っていない人が多い。マスクを着用している人もいたが、顎に引っ掛けている人や、耳からぶら下げている人もいた。

 いくつかの選挙区では、手製爆弾が投げ入れられたり、車両が破壊されたりするなど暴力行為も発生した。

 西ベンガル州では、政治絡みの暴力沙汰により過去数十年で数千人が死亡している。対立する政党間の衝突で死者が出たこともある。

 人口9000万人の西ベンガル州では、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相率いるインド人民党(BJP)が、10年間にわたって州政治を握ってきたマムタ・バナジー(Mamata Banerjee)州首相の追い落としを狙っている。同州での勝利は、BJPにとって大きな意味を持つ。

 今回の選挙は、3月27日から8回に分け投票が行われた。29日の8回目の投票は同州の有権者約850万人が対象だった。結果は5月2日に判明する予定。

 モディ首相は29日にツイッター(Twitter)で、「新型コロナの感染対策に従って投票し、民主主義の祭典を盛り上げてほしい」と呼び掛けた。

 3月の投票開始前後から、新型コロナの感染者数が増加して集会が制限されるまで、モディ首相やバナジー氏、少数政党は選挙集会を多数開催していた。

 首都ニューデリーや西部の金融拠点ムンバイといった主要都市は現在、感染急拡大の中心となっており、西ベンガル州と州都コルカタでも新型コロナの感染は急増している。(c)AFP