【4月30日 AFP】英国のウィリアム王子(Prince William)と妻のキャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge)は結婚10周年を迎えた29日、メッセージと映像を公開し、人々からの「優しい言葉」に感謝した。

 ウィリアム王子夫妻はツイッター(Twitter)に投稿したメッセージで、「私たちは一つの家族としてこれまで10年間にわたり受け取ってきた支援に非常に感謝している」と表明。添えられた映像には、夫妻が浜辺で子どもと戯れたり、たき火を囲んでマシュマロを焼いたりする様子が映されている。

 他の王室メンバーが高齢となったり、世間の目を逃れたりする中、ウィリアム王子夫妻は王室の将来を担う存在として注目を集めている。

 英王室はこのところ波乱続きで、今月には王子の祖父でエリザベス女王(Queen Elizabeth II)の夫のフィリップ殿下(Prince Philip)が99歳で死去。また、昨年には、弟のヘンリー王子(Prince Harry)が妻メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)と共に王室を離脱して米国に移住し、ウィリアム王子との不仲説もささやかれた。

 さらにヘンリー王子夫妻は今年3月、テレビ番組のインタビューで、王室内の人種差別を告発するとともに、王室は自分たちを支援してくれなかったと主張し、論争を巻き起こした。これを受け、ウィリアム王子は王室を擁護し、記者団に対して「私たちは人種差別一家では決してない」と反論していた。

 ヘンリー王子とウィリアム王子は今月営まれたフィリップ殿下の葬儀で、インタビュー後初めて一緒に姿を現した。葬儀の後には数時間を共に過ごし、関係修復に向けて動き出したとみられている。

 ヘンリー王子夫妻の王室批判は、英国でおおむね否定的に受け止められたようだ。最近の世論調査では、フィリップ殿下死去をめぐる同情もあり、大半の王室メンバーの人気が上昇。だが、ヘンリー王子夫妻の人気は低いままだった。

 フィリップ殿下の葬儀では、特にキャサリン妃の立ち居振る舞いとファッションが称賛を集めた。黒のベールにマスクをして車で会場に到着し、カメラをまっすぐ見つめるキャサリン妃の印象的な写真は世界中で話題になり、ウィリアム王子の亡き母ダイアナ元皇太子妃(Princess Diana)と対比する声も上がった。(c)AFP/Joe JACKSON