【4月29日 時事通信社】バイデン米大統領は28日、上下両院合同会議で就任後初の議会演説を行った。この中で「就任100日で米国は再び動きだした」と宣言。外交政策では、中国の習近平国家主席との電話会談で「紛争を始めるのではなく防ぐために、インド太平洋で強力な軍事プレゼンスを維持する」と伝えたことを明らかにした。

 バイデン氏は、米中の覇権争いを念頭に「競争は歓迎するが衝突は望まない。(習氏に対し)米国の利益はあまねく守ると表明した」と説明。米国の労働者に打撃を与える不公正な貿易慣行に立ち向かう決意を示した。米中首脳は2月10日に電話で会談している。

 さらに「合意に時間のかかる民主主義は21世紀の競争で専制主義に勝てないと、彼(習氏)やその他の専制主義者は考えている」と主張。「専制主義が未来を制することはない。勝つのはわれわれであり、米国だ」と語った。

 北朝鮮やイランの核問題に関しては、同盟国と協力していくと述べた。「テロや核拡散などの危機に単独では対処できない」として、国際協調の必要性も訴えた。

 最重要課題に挙げていた新型コロナウイルス対策では「就任100日で2億2000万回以上、ワクチンを接種することになる」と実績を強調。感染防止策を継続していく決意を示した。

 経済に関しては、政権発足から100日間では歴代最高となる130万人以上の雇用が創出されたと指摘。先に策定したインフラ投資計画が「米国再建の青写真になる」として、議会に協力を促した。子育て・教育支援と富裕層への増税を柱とした成長戦略「米国家族計画」も新たに提案した。

 さらに、企業と富裕層が公平に負担する税制改革を議会に要求し、これによって数百万人の雇用が生まれ、経済が成長すると呼び掛けた。

 演壇の後方では、ペロシ下院議長と上院議長を務めるハリス副大統領が演説を見守った。両ポストを女性が占める中で、大統領の議会演説が行われたのは史上初となる。

 野党共和党は28日、黒人のスコット上院議員が反論演説を行い、「団結させる政策と前進が必要なのに、大統領と与党はこの3カ月間、分断を助長してきた」と批判。バイデン氏が人種問題の解決を唱えたことを踏まえ「米国は人種差別国家ではない。議論を封じ込めるために、つらい過去を利用するのは間違っている」などと指摘した。(c)時事通信社