【4月30日 Xinhua News】中国甘粛省(Gansu)の蘭州大学(Lanzhou University)第一医院は27日、同医院が主導した最新研究により、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者に新型コロナウイルスワクチンを接種した場合にも体内に抗体が作られ、一定の安全性と有効性があることを実証したと発表した。研究成果はこのほど、国際学術誌「Journal of Hepatology」に掲載された。

 研究はCHESS(中国門脈圧亢進<こうしん>症連盟)責任者で同医院の院長補佐を務める祁小竜(Qi Xiaolong)氏と、復旦大学(Fudan University)付属華山医院感染科主任の張文宏(Zhang Wenhong)氏が共同で始めた。

 研究チームは、11の協力病院から新型コロナウイルス感染歴のないNAFLD患者381人を選び、これら被験者に新型コロナウイルス不活化ワクチンを2回接種。14日以上経過してから血液サンプルの収集を開始し、新型コロナウイルス中和抗体測定キットと磁性粒子化学発光免疫測定法により、中和抗体を検出した。

 祁氏は結果について「被験者の95・5%から新型コロナウイルス中和抗体が検出された。副反応はいずれも軽度で自然治癒した。最も多かったのは注射部位の痛みで計70例あり、筋肉痛、頭痛、倦怠(けんたい)感が続いた」と述べた。

 研究によると、中国の新型コロナワクチンを接種されたNAFLD患者の副反応は軽微で自然治癒する範囲内であり、重篤な有害事象は観察されていない。この研究と同じワクチンを使った第2相臨床試験と比較すると、NAFLD患者の中和抗体陽性率は一般の人々と同程度だった。

 祁氏は「体内では中和抗体が作られているが、それが新型コロナウイルス感染からこれらの人々をどの程度守れるのかは、さらなる検証が必要だ」と説明。今回の研究では、患者群について新型コロナワクチン接種前のベースラインとなる肝機能と中和抗体の情報が不足していたなどの限界もあり、NAFLD患者に対する中和抗体の有効性をさらに評価するためには、今後より大規模な前向きコホート研究が必要になると述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News