【5月12日 AFP】反政府デモが激化している南米コロンビアの人権オンブズマンによると、4月28日以降、これまでに少なくとも42人が死亡した。武装勢力1人を除く全員が民間人だという。

 コロンビアではイバン・ドゥケ(Ivan Duque)政権に対する抗議行動が、ほぼ毎日行われている。2016年に政府が、元左翼ゲリラ組織のコロンビア革命軍(FARC)と平和協定を結び、数十年に及んだ内戦を終結させて以来、最多となる犠牲者が出ている。

 NGOなどは、これよりも多い47人が死亡していると報告している。うち少なくとも39人については、「警察の暴力」が直接的な原因だという。

 国防省は、デモ隊との衝突で警官849人が負傷し、うち12人は発砲によるものだと主張している。一方、民間人の負傷者数は今月3日以来更新されておらず、306人のままとなっている。

 コロンビアでは、新型コロナウイルスの流行によって、まん延する暴力と経済的苦境が悪化している。今回の抗議活動は、税制改革法案への反発から始まったが、すぐに反政府感情を反映した広範なものへと変化した。

 税制改革法案は撤回されたものの、政府の強硬な対応に国際社会の非難が集まる中、抗議デモは続いている。(c)AFP