【4月28日 AFP】自転車ロードレースのチーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)は27日、所属するディラン・フルーネヴェーヘン(Dylan Groenewegen、オランダ)が、9か月の出場停止明け直後の5月8日に開幕するジロ・デ・イタリア(Giro d’Italia 2021)でツアーに復帰することを明らかにした。

 フルーネヴェーヘンは2020年8月のツール・ド・ポローニュ(Tour de Pologne 2020)で、同胞のファビオ・ヤコブセン(Fabio Jakobsen)が昏睡(こんすい)状態になる事故の原因をつくったとして、国際自転車競技連合(UCI)から9か月の出場停止処分を科されており、その期間は5月7日までとなっている。

 事故はツール・ド・ポローニュ第1ステージ最後のスプリント勝負で起こり、ヤコブセンは2日間昏睡状態に置かれた後、顔の再建手術を受けなくてはならない大けがをした。

 フルーネヴェーヘンはこれ以降レースに出場していなかったが、目に問題を抱えているクリス・ハーパー(Chris Harper、オーストラリア)に代わってユンボ・ビスマのジロ出場メンバーに招集された。

 チームのスポーティング・ディレクターを務めるメリイン・ジーマン(Merijn Zeeman)氏は「クリスの枠をディランに与えることに決めた」と話し、「ディランはチームリーダーの一人だが、出場停止で長くレースに出られなかった」と続けた。

 チームは他にもう一人、ダビド・デッケル(David Dekker、オランダ)というスプリンターをメンバーに入れており、ツール・ド・フランス(Tour de France)で通算ステージ4勝を挙げているフルーネヴェーヘンに対して、特定の目標を課すことはしていない。

 本人は「あの後、心が温かくなるメッセージをたくさんもらったが、僕の復帰に対して否定的な反応があるのは覚悟している。いずれにせよ、そういうことは起こるだろう」と話している。

 また、今月のツアー・オブ・ターキー(Tour of Turkey 2021)で復帰したヤコブセンについては「ファビオとは、彼がトルコへ行く前に話をした。向こうで元気に走っているのを見られて良かった」と喜び、「今は自分の復帰もとても楽しみにしているし、ジロ・デ・イタリアのような美しいレースで復帰できるのがうれしい」とコメントした。(c)AFP