世界の女性10人に1人が流産を経験 研究
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【4月27日 AFP】世界では女性10人に1人が流産を経験しており、妊娠の7回に1回は流産となっていることを指摘した研究論文が26日、英医学誌「ランセット(The Lancet)」に掲載された。
専門家31人から成る国際研究班は各国のデータをまとめ、3本の論文として発表。世界全体での流産発生件数は年間約2300万件だが、未報告件数を考慮すると実際の数は「これより大幅に多い」ことは確実だと指摘した。
流産は一般的に、妊娠が20〜24週未満に中断してしまうことを指すが、定義は国ごとに異なる。
流産については、誤った情報が広く流布している。発生はまれとの思い込みや、重い物を持ち上げる、過去の避妊薬の使用が原因になるといった誤解を、多くの女性が持っている。また、流産を防ぐ効果的な治療法はなく、高リスクの女性であればなおさらだと考えられている。
研究班は、主な調査対象が経済面で比較的豊かな国々だったにもかかわらず、「流産にまつわる沈黙」はどの国にもあると指摘。各国の保健当局に流産後のケアを拡充し、予防研究に力を入れ、高リスクの女性を把握するよう促している。
ランセット編集部は論文に添えた論説で「流産はあまりにも長い間、矮小(わいしょう)化されてきた」との見方を示し、流産をめぐる「医学的進歩の欠如は衝撃と受け止められるべき」であり、「女性に『もう一度頑張ればいい』と言う時代は終わった」と記した。(c)AFP/Marlowe HOOD