【4月27日 AFP】ミャンマーの反政府武装組織「カレン民族同盟(KNU)」が27日朝、東部タイ国境付近にある国軍の基地を攻撃し奪取した。KNU幹部がAFPに明らかにした。

 ミャンマーでは、2月1日に国軍がクーデターでアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問を拘束して以来、混乱が続いている。治安部隊は各地の抗議デモを激しく弾圧、死者も出ている。

 反クーデター運動は、国中で幅広い支持を集めている。自治権の拡大を求めて数十年にわたり国軍と戦ってきた各地の反政府武装組織の一部もそこに含まれる。

 ミャンマーの国土のうち主に国境地帯を含む3分の1は、独自の民兵組織を持つ無数の反政府勢力によって支配されている。

 主要勢力の一つ、東部カイン(カレン、Karen)州のKNUは、タイ国境沿いの支配領域でここ何週間にわたり、軍と衝突している。27日にはタイとの国境の一部を成すサルウィン(Salween)川近くで戦闘が発生。タイ側の住民はミャンマー領内から銃声や爆発音が聞こえたと証言した。

 KNU外交部門トップ、パドー・ソー・トォ・ニー(Padoh Saw Taw Nee)氏はAFPに「わが軍は国軍基地を占領した」と語った。戦闘は27日午前5時(日本時間同7時30分)ごろに起きたという。

 タイ側のメーサムレープ(Mae Sam Laep)に長年住むカレン人の女性は「私たちは、川に向かって走ってきた国軍の兵士5、6人が、KNUに撃たれるのを見た。ただ、とても暗かった」と語った。

 ミャンマー国軍は先月、KNUに基地を攻撃された報復として、カイン州では過去20年で初となる空爆を実施した。同州での衝突はここ数週間でさらに激化し、川を渡ってタイ側に一時避難した約2000人を含め、民間人2万4000人以上が避難している。

 映像はタイ側から撮影された、サルウィン川沿いにあるミャンマーの軍基地で発生した火災。コートレイ・トゥデイ(Kawthoolei Today)が27日撮影・提供。(c)AFP