【4月28日 People’s Daily】「通勤途中に、時事ニュース番組をよく聞き、最新の情報を把握する。平日の昼休みには、ビジネスや投資信託などの授業を受けることで、自分の知識をより充実させる。週末には、家で洗濯や炊事をする時、小説を聞き、心身をリラックスさせる」と、北京のインターネット企業で働くOLの王さんはオンラインオーディオコンテンツの忠実なファンだ。場所や時間帯によっては何を聞くかについて、彼女は自分なりの考えをもっている。

「視覚的インパクトが強い映像に比べ、オーディオには随伴性という特徴がある。オーディオだと、目と両手を休め、スキマ時間に、自己啓発やレジャーができる」と、王さんは述べた。

 今では、オーディオ番組を聞くことは、中国の庶民の日常生活の中によく現れるシーンだ。オーディオブック、オーディオ生中継、オンライン有料知識コンテンツなどを主とするネットオーディオのモデルはすでに「耳経済」にグレードアップしている。リサーチ会社の艾瑞諮詢のデータによると、2022年の中国のオーディオ市場の規模は543億1000万元(約9060億円)に達し、2023年の中国オンラインオーディオユーザーの規模は9億人を超える見込みだという。

 中国新聞出版研究院(CAPP)が2020年4月に発表した第17回全国国民閲覧・読書調査の結果によると、音声読み上げは急速に伸び続け、中国国内の閲覧・読書の新たな成長分野となった。31.2%の中国人はオーディオブックを聞く習慣があり、大人の割合は30.3%だった。中国の大人向けのオーディオブックの聞くメディアについての調査では、「モバイル音声アプリプラットフォーム」を選ぶ人の割合が16.2%で最も高く、次にメッセージアプリの「ウィーチャット(WeChat)音声プッシュ」および「ラジオ」でオーディオブックを聞くことがわかった。

 さまざまなシーンでは、オーディオの聞き方もますます多様化している。王さんは、通勤時には無線イヤホンを使い携帯アプリに接続してオーディオを聞くが、家ではスマートスピーカーを使っていると記者に話した。深セン市(Shenzhen)の周さんはジョギングが好きで、ジョギングの時、彼はスマート腕時計で各種ポッドキャスト番組をよく聞いている。彼はこのように走るのは付き添いがそばにいるようで、時には思考を刺激することもできると述べた。

 中国の調査会社易観の「2020年オンラインオーディオプラットフォームエコシステム・クリック回数インサイト」分析報告によると、スマートハードウエアや、アプリケーション、ウィジェット、移動端末のウェブページなどを通じて、オーディオプラットフォームは外部のコンテンツ配信手段を積極的に開拓している。例えば、喜馬拉雅(Himalaya)はアリババ(Alibaba)や、小米(Xiaomi)、ファーウェイ(Huawei)、百度(Baidu)、サムソン(Samsung)などとの密接な協力のもと、オーディオコンテンツを生活の中の各スマート端末・シーンに浸透させ、スマートAIスピーカーや、AIイヤホンなどを相次いで発売したという。(c)People’s Daily/AFPBB News