【4月27日 AFP】ブラジルの医薬品規制当局は26日、ロシアの新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV(Sputnik V)」の輸入許可を求める複数の州の要請を却下した。ワクチンの安全性と有効性を証明する十分なデータがないためとしている。

 ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)のアントニオ・バーハ・トーレス(Antonio Barra Torres)長官は、「われわれは数百万人のブラジル国民を、品質と安全性、有効性が十分に立証されていない製品にさらすことは決してしない」と述べた。

 ANVISAは、専門家らがスプートニクVの「不確実性」に懸念を示したと説明している。スプートニクVについては、欧州医薬品庁(EMA)と米食品医薬品局 (FDA)は承認していない。

 ANVISAは先月、スプートニクVの緊急使用許可の申請を受けていた。ANVISAは今回の判断に至った分析結果は公表していない。

 ブラジルは1月、英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)と中国製薬大手シノバック・バイオテック(Sinovac Biotech)のワクチン2種を承認。その後、米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)が共同開発したワクチンと、米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のワクチンも承認されたが、まだブラジルに到着していない。(c)AFP