【4月27日 People’s Daily】春が大地を巡り、中国各地の農業生産は南から北にかけ、盛んに行われている。しかし、今年の春耕は以前と違い、政策と科学技術の支援のもと、食糧の増産および安定的な生産の目標に向かってまい進している。

「第14次5か年」計画と2035年までの長期目標綱要は、農業基盤を一層固め、農業供給側の構造改革を深化させ、品質安全への監督管理を強化し、農村産業の振興を推進することを掲げている。

 中国農業農村部の最新の農業生産状況スケジュールによると、今年の冬の小麦、菜の花の栽培面積はそろって回復的増加を実現した。冬小麦の栽培面積は3億3500万ムー(約22万3400平方キロメートル)で、前年より300万ムー(約2000平方キロメートル)以上増加した。冬の菜の花の栽培面積は9600万ムー以上で、前年より約400万ムー増加した。

 昌元家庭農場は重慶市(Chongqing)巴南区(Banan)二聖鎮(Ersheng)中坪村にある。農場主の劉昌元(Liu Changyuan)さんは畑作りの名人で、今年の春耕まで計220ムー(約14万6700平方メートル)の土地を流転した。「水田は主に水稲を植えるために使われ、畑はやはり大豆や雑穀の栽培に使われる。大豆の収益がよいので、今年も大豆を多めに栽培したい」と、劉さんは語った。

 黑竜江省(Heilongjiang)克山県(Keshan)仁発現代農機専業合作社(協同組合に相当)の李鳳玉(Li Fengyu)理事長は、「合作社は大豆の栽培面積を増やした。合作社は昨年5328万元の利益があり、社員の1ムー当たりの配当は922元まで増加した。大豆の貢献が大きかった」と述べた。

 今年は引き続き大豆振興計画を実施し、大豆の作付面積を1億4000万ムー(約9万3300平方キロメートル)以上に安定させように努める。東北、黄淮海などの地域では、トウモロコシの面積を1000万ムー(約6670平方キロメートル)以上に増加する予定で、さらに大国の穀物倉庫としての基礎をしっかりと固めるという。

 資源の節約を重視し、グリーン発展を導きとするのは、春耕生産のメガトレンドになっている。

 中国国務院発展研究センター農村経済部の葉興慶(Ye Xingqing)部長は、「体制・仕組みの革新はグリーン発展を推進し、わが国は効率的な生産、安全な製品、資源節約、環境にやさしい農業現代化の道を歩み始めた」と述べた。

「昔はジャガイモを植えるのに、村中の老若男女がみな参加しなければならなかった。今では、無人耕うん機、畝立て機、種まき機を使っているので、畑作りが随分楽になった」と、山東 (Shandong)青島(Qingdao)高産農機専業合作社の杜高古(Du Gaogu)理事長は話した。杜理事長は今年80ムーのジャガイモを、一日もしないうちに全部植え終わった。「北斗航法衛星システム(BDS)を利用しているので、作業精度が高く、誤差が2センチ以内に抑えられている」という。

 広大な田畑で、地上を走る大きな農機具、空を飛ぶドローン、農作物の管理はビッグデータを使うようになり、スマート春耕は農業の品質や効率の向上に役立っている。今年、中国は「インターネット+」の農産物の都市進出プロジェクトを深く推進させ、110の試行県の建設を加速する見通しだ。(c)People’s Daily/AFPBB News