【4月30日 AFP】ナイジェリア北西部ザムファラ(Zamfara)州で今年2月、女子中等学校を武装集団が襲撃し、寮で就寝中だったハフサットさん(14)とアイシャさん(13)姉妹は他の250人以上の生徒と共に拉致された。1週間監禁され、3月初めに解放されたものの、2人には、さらなる試練が待っていた。

 心に傷を負った2人が今恐れているのは、勉強できなくなることだ。ナイジェリア北西部では生徒の拉致事件が相次ぎ、多数の学校が閉鎖されている。

「娘たちは心配している。学校が閉鎖されたままだと、自分たちの教育と将来が終わることになるからだ」。姉妹の父親ムスタファ・ムハンマド(Mustapha Muhammad)さんが、ザムファラ州ジャンゲベ(Jangebe)で語った。

 ナイジェリアでは昨年末から、犯罪集団が身代金目的で学校や大学を狙い、生徒や学生を拉致する事件が増えている。3月には、北西部の都市カドゥナ(Kaduna)郊外で武装集団が大学を襲撃し、学生39人が拉致される事件が起きた。このうちの大半の学生は、4月時点でまだ解放されていない。

「ナイジェリア北部では、教育が攻撃にさらされている」と言うのは、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)のナイジェリア代表、オサイ・オジホ(Osai Ojigho)氏だ。昨年12月、カツィナ(Katsina)州カンカラ(Kankara)の町で344人の男子生徒が拉致された後にこう指摘した。

 ナイジェリアの北西部と中部は、今や重武装した犯罪集団の拠点となっている。彼らは村落を襲撃し、牛などを略奪して火を付けた揚げ句、住民を殺すか拉致する。

「盗賊団」と地元で呼ばれる武装集団による最近の拉致事件を受け、北部6州は公立学校を閉鎖した。