【4月27日 AFP】世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は26日、新型コロナウイルスが猛威を振るうインドの状況は「悲痛の域を超えている」との危機感を示し、支援を急いでいると述べた。

 インドは現在、これまでで最悪の新型ウイルス流行の波に見舞われており、医療現場がひっ迫し、火葬場は休みなく稼働している。患者の家族らは、医療用酸素や病床が必要だと訴えるメッセージをソーシャルメディアに投稿。首都ニューデリーは1週間を予定していたロックダウン(都市封鎖)の延長を強いられた。

 インドの累計死者数は世界で4番目に多い19万5000人余り。感染者数は最近になって急増し、世界の新規感染者数を押し上げている。26日の死者数は2812人、新規感染者数は35万2991人と、いずれも過去最多を記録した。

 テドロス氏は記者会見で、「インドの状況は悲痛の域を超えている」と指摘。「WHOは手を尽くしており、重要機器・物資を提供している」とし、酸素濃縮器数千台やプレハブの移動式野外病院、検査用品などをインドに送っていると説明した。(c)AFP/Nina LARSON