【4月26日 AFP】インドの大手メディアグループ「エクスプレス・パブリケーションズ(Express Publications)」は25日、新型コロナウイルス感染者が過去最多を連日更新する中でのクリケットのプロリーグ開催は「あくどい商業主義」で「場違い」だとして、試合に関する取材や報道を全面的に中止すると宣言した。

 同社は主力紙の日刊英字紙「ニュー・インディアン・エクスプレス(New Indian Express)」の1面に掲載した社説で、社会が「一応の平常を取り戻すまで」インディアン・プレミア・リーグ(IPL)の試合については一切報じないと表明した。

 IPLは世界のクリケット界最大の資金力と権力を有する理事会が主催し、多額の金が動くイベント。熱狂的なクリケットファンが多いインドで絶大な人気を誇るが、今季は無観客で試合が行われている。リーグ日程は来月30日まで。

 インドでは今月に入って新規感染者数と死者数が激増し、病床数、酸素ボンベ、医薬品が不足する事態となっている。火葬場や墓地も24時間態勢で対応に追われている状況だ。

 エクスプレス・パブリケーションズは「このような悲劇的な時に、クリケットの祭典がインドで開催されているのは場違いだ」と指摘し、「あくどい商業主義」と一刀両断。IPLの開催そのものに反対はしないが、タイミングが問題だとして、「われわれが前代未聞の危機のさなかにあることを、クリケット界も受け入れなければならない」と論じている。(c)AFP