ユダヤ人女性殺害の男、薬物影響下のため罪に問われず 仏各地で抗議
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【4月26日 AFP】フランスでユダヤ人女性を殺害した男が、大量の大麻を摂取していたため「意識が混濁した状態で発作的に」犯行に及んだとして罪に問えないとされたことを受け、複数の都市で25日、抗議デモが行われた。
この決定に女性の遺族および複数のユダヤ人団体は激怒。また、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は薬物の影響下で犯した凶悪事件でも、犯人を罪に問えるよう法の改正を提案・要求した。
サラ・アリミ(Sarah Halimi)さん(65)は、近所に住む男(27)に自宅のアパートの窓から突き落とされた。男は「アラーアクバル(アラビア語で神は偉大なりの意)」と叫んだ。
破棄院(フランスの民事、刑事事件の最終審)は今月、犯行は反ユダヤ的動機があったものの、男は認知能力が欠如した状態で犯行に及んだため、罪に問うことはできないとの判断を下した。
アリミさんの死亡後、男は精神科に入院している。
マクロン氏の与党・共和党前進(REM)の国民議会(下院)会派を率いるクリストフ・カスタネール(Christophe Castaner)議員も抗議デモに言及した。デモには野党党首らや著名な俳優らも参加した。
パリで行われた抗議デモには、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)元大統領の妻カーラ・ブルーニ(Carla Bruni)氏や、アンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)パリ市長も参加した。イダルゴ氏は、市内の通りにアリミさんを追悼する名前を付けると発表した。
エリック・デュポンモレティ(Eric Dupond-Moretti)法相は25日、「法的空白」を埋めるために、5月末までに刑事責任に関する新法案を提出する予定だと明らかにした。
だが、同国の司法高等会議(CSM)は25日、この「痛ましい」事件で判事らは法を正しく適用したと主張し、破棄院の判断に対する「中傷」を一蹴した。
警察によるとパリの抗議デモには2万人以上が参加し、フランス南部マルセイユ(Marseille)では最大約2000人がデモ行進した。東部ストラスブールでは、シナゴーグ(ユダヤ教の会堂)前に約600人が集まった。(c)AFP