【4月30日 People’s Daily】近年、気候変動の試練が日増しに顕在化し、持続可能な発展の問題が一段と厳しく各国に突きつけられている。中国は2030年までの二酸化炭素排出量のピークアウトを目指し、2060年までのカーボンニュートラル実現を目指して努力することを厳かに宣言した。この目標を達成するため、現在中国は一段と力強い政策と措置を講じ、全人類にとって有益なこの事業を着実に進めている。

 第14次五か年計画期間(2021〜25年)は二酸化炭素排出量のピークアウトにとって正念場となる期間だ。第14次五か年計画綱要は単位GDPエネルギー消費量を13.5%削減し、単位GDP二酸化炭素排出量を18%削減するとの拘束性指標(必ず実現しなければならない目標)を打ち出し、積極的な気候変動対策の全面的方針をまとめた。

 第14次五か年計画最初の年に各地は積極的に行動を起こし、環境に配慮した「グリーン発展」を推進している。広東省(Guangdong)はエネルギー消費の二重コントロール制度を整備し、区域や業種ごとに炭素排出量のピークアウトを推進する方針を打ち出した。北京市はカーボンニュートラルのタイムテーブルとロードマップを明確にし、エネルギー構成の調整と交通や建設など重点分野の省エネを推進している。浙江省(Zhejiang)は一次エネルギーに占める非化石エネルギーの割合を20.8%にまで高め、石炭火力発電の割合を2ポイント下げることを指示した。

 省エネと炭素排出量削減の主体は企業だ。中国宝武集団八一鋼鉄では、製錬炉の利用係数を大幅に高めるだけでなく、二酸化炭素排出量を30%削減できる新型循環高炉の試験プロジェクトを急ピッチで進めている。国家電投、三峡集団などのエネルギー企業は先ごろ、相次いで炭素排出量のピークアウト目標を打ち出した。炭素排出量のピークアウトとカーボンニュートラルの早期実現はますます多くの企業のコンセンサスとなっており、自覚的に行動する企業が増えている。

 中国国家気候変動専門家委員会の何建坤(He Jiankun)副主任は、「近年、中国は環境優先、グリーン、低炭素の質の高い発展の道を揺るぎなく歩み、炭素排出量のピークアウトとカーボンニュートラルという目標達成に向けて強固な基礎を固めた」と指摘している。

「白熱電球から省エネ蛍光灯へ、そして現在のLEDへ。本当にどんどん環境にやさしくなってきている」。照明器具販売センターで照明を選んでいた山東省(Shandong)平度市(Pingdu)在住の譚小軍(Tan Xiaojun)さんは感慨深げにこう語った。2011年、国家発展改革委員会など5部・委員会は「白熱灯段階的淘汰(とうた)ロードマップ」を発表。これにより白熱灯は徐々に人々の視界から消えていった。この行動によって中国は年間で480億kWhの節電に成功した。これは二酸化炭素排出量4800万トンの削減に相当する。

 また、中国は近年、省エネ家電や新エネルギー車への補助金制度を施行し、エコ消費をけん引するだけでなく、家電・自動車産業のエコで低炭素な発展を促している。2020年、新エネルギー車の販売台数は130万台以上と、前年比で10%以上増加した。

 中国は約束した2020年までの炭素排出削減目標を、すでに前倒しで達成した。第13次五か年計画(2016〜2020年)は単位GDP二酸化炭素排出量の17%削減という要求を掲げたが、実際には18.8%削減を達成した。第13次五か年計画期間、中国は水力発電、風力発電、太陽光発電、建設中の原子力発電の設備容量など多くの指標で世界一を保った。2020年末にはクリーンエネルギーの発電設備容量が10億8300万kWにまで増えて、初めて石炭火力発電を抜き、総設備容量に占める割合が約49.2%に達した。(c)People’s Daily/AFPBB News