【4月26日 AFP】米航空宇宙局(NASA)の超軽量小型ヘリコプター「インジェニュイティ(Ingenuity)」は25日、火星での3度目の飛行に成功した。

 インジェニュイティは、過去2回の飛行では垂直方向に移動し、ホバリング(停空飛行)を実施したが、今回は水平方向に約50メートル飛行し、最高速度は秒速2メートルに達した。

 インジェニュイティ・プロジェクトでプログラムを担当するデーブ・ラベリー(Dave Lavery)氏は、「きょうの飛行は予定通りだったが、それでも素晴らしいというほかない」と述べた。

 約80秒続いた3回目の飛行は、重量1.8キロのインジェニュイティを火星に運んだ火星探査車「パーシビアランス(Perseverance)」に搭載されたカメラで撮影された。

 今回の飛行は、インジェニュイティの自律飛行システムのテストで、事前に受け取った情報に従って一定のルートを飛行した。NASAは、「インジェニュイティの飛行速度が速すぎれば、自律飛行アルゴリズムが地形を認識できない」と説明している。

 NASAは4度目の飛行の準備を進めていると発表した。インジェニュイティの飛行は徐々に難易度を上げるよう計画されている。(c)AFP