【4月26日 AFP】遊び心を利かせたデザインで仏老舗ブランド「ランバン(Lanvin)」を業界で注目される存在にした、服飾デザイナーのアルベール・エルバス(Alber Elbaz)氏が24日、死去した。59歳だった。新型コロナウイルスに感染し治療を受けていた。高級ブランドグループのリシュモン(Richemont)が25日に発表した。

 発表によると、リシュモンのヨハン・ ルパート(Johann Rupert)会長は「アルベールの突然の死を聞いて、ショックととてつもない悲しみを感じた」と語った。著名ファッション評論家のスージー・メンケス(Suzy Menkes)氏はインスタグラム(Instagram)への投稿で、ルパート氏の話として、エルバス氏が「3週間の新型コロナウイルス治療の末、この世を去った」と明らかにした。

 エルバス氏はモロッコで生まれたイスラエル人。フランス最古の服飾ブランドであるランバンで14年間アーティスティックディレクターを務めた。2015年に突然退任するまで、古典的なスタイルに遊び心を加えたデザインで、ブランドの再興に貢献した。しなやかな黒いカクテルドレスなどエルバス氏が手掛けたデザインはケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)やシエナ・ミラー(Sienna Miller)らハリウッドスターに愛され、エルバス氏の在籍中、ランバンは売り上げを伸ばした。

 エルバス氏は2008年、仏週刊誌レクスプレス(L'Express)に「女性はより自立し、より大胆になっている」と言明。「ドレスは女性に寄り添わなければならない。女性はドレスと共に動き、共に生きることを望んでいる。動きは私にとって不可欠だ。人生そのものだ」と語っていた。(c)AFP/Alexandra DEL PERAL