【4月25日 AFP】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は24日、1915年に現在のトルコの前身であるオスマン帝国(Ottoman Empire)で最大150万人のアルメニア人が殺害されたとされることをジェノサイド(集団虐殺)と認定した。米国が数十年にわたるトルコからの圧力を退けてジェノサイドと認定したことは、犠牲者の子孫にとって大きな転機だと言える。

 バイデン氏は、米大統領として初めて「アルメニア人追悼記念日」の声明でジェノサイドという表現を用いた。前日、北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と電話会談したバイデン氏は、ジェノサイドと認定する意向を伝え、トルコ側の反発を抑えようとしていた。

 バイデン氏は、「私たちは、オスマン帝国時代のアルメニア人のジェノサイドで失われたすべて人々の命を記憶し、そのような残虐行為が二度と起きないようにすることを改めて誓う」と述べた。「私たちは歴史を肯定する。非難するのではなく、このようなことが決して繰り返されないようにするために」

 今回の声明は、アルメニアや世界各地のアルメニア系の人々にとって大きな勝利だ。1965年にウルグアイが認めて以降、フランス、ドイツ、カナダ、ロシアなど各国がジェノサイドであったことを認めているが、歴代の米大統領はこれを避けており、米国によるジェノサイド認定はアルメニア人にとって重要な目標だった。

 エルドアン氏は、イスタンブールのアルメニア総主教に向けた声明で、ジェノサイドと認めるかどうかの議論は歴史学者に任せるべきで、「第三者が政治問題化すべきではない」と述べた。(c)AFP/Shaun TANDON / with Maryam Harutyunyan in Yerevan