【4月24日 AFP】米食品医薬品局(FDA)と米疾病対策センター(CDC)は23日、米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の新型コロナウイルスワクチンの接種再開を認める方針を発表した。同ワクチンは血栓症の発生リスクが懸念されることから、使用が中断されていた。

 米保健当局はJ&Jのワクチン接種を受けた後に深刻な血栓症を発症したケースが数例確認されたことを受け、14日に同社のワクチン接種を一時停止するよう勧告していた。しかし今回の発表に先立ち、専門家委員会は、ワクチン接種のメリットはリスクを上回るとして、接種の再開を推奨した。

 FDA医薬品部のジャネット・ウッドコック(Janet Woodcock)氏はCDCとの共同発表で、「(J&Jの医薬品部門である)ヤンセン(Janssen)の新型コロナウイルスワクチンの既知および潜在的なメリットは、18歳以上に対する既知および潜在的なリスクを上回ると結論付けた」と明らかにした。CDCのロシェル・ワレンスキー(Rochelle Walensky)所長は、血栓が見つかったのは「非常にまれなケース」だとして、当局はJ&Jのワクチン接種について今後も注視していくと述べている。

 23日に示されたデータによると、J&Jのワクチン接種を受けた女性390万人中15人が深刻な血栓症を発生し、うち3人が死亡。15人中13人は50歳未満だった。男性の症例は報告されていない。

 欧州の医薬品規制当局は20日、J&Jの新型コロナウイルスワクチンについて、血栓症を「非常にまれな」副反応として記載すべきだとの見解を示している。(c)AFP