【4月24日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は23日、バイデン氏の大統領就任後初となる電話会談を行い、両国間の問題をめぐる協力の拡大で一致した。

 トルコは24日、現在のトルコの前身であるオスマン帝国(Ottoman Empire)末期に最大150万人のアルメニア人が殺害されてから106年となる「アルメニア人追悼記念日」を迎える。アルメニア人は、これをジェノサイド(集団虐殺)と認定するよう世界に向けて強く主張してきたが、トルコはジェノサイドと呼ぶことを強硬に拒否している。

 ホワイトハウス(White House)は、今回の電話会談後の発表で「ジェノサイド」の問題に言及しなかった。一方で、バイデン、エルドアン両氏が6月にベルギーのブリュッセルで行われる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に合わせて直接会談することを明らかにし、両首脳が長期的な関係悪化の回避を望んでいる可能性が示された。

 在米アルメニア人コミュニティーは数十年にわたり「ジェノサイド」と認めるよう圧力をかけ続けているが、歴代米大統領はトルコとの関係が決定的に悪化することを懸念して議論を避けてきた。

 2国間には、トルコによるロシア製地対空ミサイルシステム「S400」の導入、米国によるシリアのクルド人武装勢力の支援、エルドアン政権の転覆を狙った2016年のクーデター未遂事件を首謀したとされる在米イスラム教指導者のフェトフッラー・ギュレン(Fethullah Gulen)師の引き渡しを米国が拒否していることなど、緊張を高める見解の相違が数多く存在する。(c)AFP