【4月24日 AFP】干ばつにあえぐトルコの穀倉地帯に、バス1台がすっぽり入るほど巨大なシンクホール(陥没穴)が幾つもできている。農家らは、穴がさらに増え、民家にも迫りつつあることに不安を募らせている。

 米食品大手ペプシコ(PepsiCo)に供給するイモなどを生産している農家の男性(57)は、「干ばつはひどくなる一方だ」と話す。

 男性はここ10~15年間に、かんがい用地下水の過剰なくみ上げが原因で、巨大なシンクホールが出現するのを目の当たりにしてきた。

 のぞき込むとめまいがするほど深い穴は、干ばつで地下に空洞ができ、その上を覆う土が沈下して生じる。

 農家にとって、地下水以外の水を使うのは高コストで収入減につながる。だが地下水に頼り続ければ、シンクホールの問題は悪化の一途をたどることになる。

 中部コンヤ(Konya)にあるコンヤ工科大学(Konya Technical University)シンクホール応用研究センター(Sinkhole Application Research Centre)のフェトフッラー・アリク(Fetullah Arik)教授は、同地の平原にできた穴を調査。昨年確認された数は350個だったのが、今ではすでに倍近い約600個に増えているという。

 専門家らは、適切な水管理政策の欠如がこの問題の根底にあるとして、極度の干ばつに対する政府の取り組みの強化を求めている。

 レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、先月初めて水に関するフォーラムを主催し、「農業用かんがいシステムを刷新し、改善する」と表明した。(c)AFP/Raziye Akkoc