■研究を進めるための唯一無二の施設

 運用費用について懸念する声が一部から上がる中、米航空宇宙局(NASA)自体は、より遠方の宇宙へと関心が移るのに伴いISSからの撤退を模索している。

 だが、宇宙空間での微小重力科学実験を計画するフランスの研究施設Cadmosのセバスティアン・バルデ(Sebastien Barde)氏によれば、2028年に運用を終了する予定のISSは、一部の科学者にとっては研究を進めるための唯一無二の施設となっているという。これらの研究には、医薬であれ材料科学であれ、重力のない環境が不可欠だ。

 バルデ氏は、知る必要があることはすべて学んだという考えを一蹴し、「それはまるで、『十分な数の』星を見たという理由で、望遠鏡を大きくする必要が本当にあるのか疑問に思うようなものだ」と語った。(c)AFP/Juliette COLLEN