【4月23日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)の一部ファンが22日、警備を突破してクラブの練習施設に侵入し、欧州スーパーリーグ構想を主導したオーナー陣のグレーザー(Glazer)家に抗議する出来事があった。

 ユナイテッドのオレ・グンナー・スールシャール(Ole Gunnar Solskjaer)監督は、英カーリントン(Carrington)にあるクラブ本部の両エントランスをふさいだ約20人のサポーターへの説得を強いられた。

 抗議した人たちは「51% MUFC 20」「いつプレーするかはわれわれが決める」「出て行けグレーザー」と書かれたバナーを掲げていた。

 ドイツでは、ファンがサッカークラブの議決権の過半数を持っているのが一般的であり、51パーセントはそれを指すものとなっている。

 抗議者たちは本館のエントランスとトップチームの練習用グラウンドでポーズを取って写真撮影を行った。

 ユナイテッドは「けさ午前9時ごろ、あるグループがクラブの練習場に侵入した」と発表した。「監督を含む数人が彼らの説得に当たった。建物に問題はなく、グループはもう立ち去っている」

 物議を呼んだ2005年の買収以降、ユナイテッドは米国のグレーザー家によって所有されている。

 ファンからの支持を全く得られていないグレーザー家の評価は、欧州スーパーリーグ構想を主導したことでさらに低下することとなった。

 ユナイテッドの共同会長を務めるジョエル・グレーザー(Joel Glazer)氏は、20日に世間からの猛反発によって関与したプレミアリーグの全6クラブが撤退に追いやられ、崩壊することとなった欧州スーパーリーグの副会長に就任していた。

 撤退を表明した後、ユナイテッドはエド・ウッドワード(Ed Woodward)副会長が今年限りで退任すると発表。ジョエル氏は21日、ファンへのメッセージの中で「われわれは間違っていた」と認めた。

 同氏は2年以上にわたりユナイテッドの試合を現地で観戦しておらず、ファンと意思疎通を図ったのはこの約16年で今回の謝罪文が初めてだった。(c)AFP