【4月23日 AFP】トルコを拠点とする暗号資産(仮想通貨)交換所が、突如取引を停止し、推定20億ドル(約2200億円)とされる投資家の資金を保持したまま、創業者が出国した。同国の検察当局は22日、捜査を開始した。

 交換所トデックス(Thodex)は21日、外部投資に対処するために5日間必要だとの不可解なメッセージを投稿した後、取引を停止。投資の詳細は明らかにしなかった。

 トルコ治安当局は、トデックスの創業者ファルク・ファティ・オゼル(Faruk Fatih Ozer)容疑者がイスタンブールの空港の旅券審査を通過した際の写真を公開。容疑者の年齢は27歳または28歳とされる。渡航先は不明だが、現地メディアはアルバニアかタイに向かったと報じている。

 トデックスは取引停止時、投資家39万1000人の資金少なくとも20億ドルを保持していたと報じられている。取引停止前には、仮想通貨の「ドージコイン(Dogecoin)」を他の取引所の4分の1の価格で販売するキャンペーンを行っていた。しかし、トデックスはこうした投資を凍結。通貨の売却や他の暗号資産への交換ができない状態となった。

 民営デミルオレン通信(DHA)によると、検察当局はオゼル容疑者に対し、「加重詐欺と犯罪組織結成」の疑いで捜査を開始した。

 トデックスはその後、ウェブサイトを再開し、「インターネット上のネガティブなニュースは真実ではない」との声明を発表。オゼル容疑者もツイッター(Twitter)への投稿で、「トルコには数日で戻り、真実が明らかになるよう、司法当局と協力する」と説明したが、自身の所在地や、取引停止の理由については言及しなかった。(c)AFP/Fulya OZERKAN