【4月23日 AFP】ロシアのセルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相は22日、同国がウクライナ国境付近で行っていた軍事演習の終了を命じた。演習には兵士数万人と軍艦数十隻が参加し、欧米諸国との緊張が高まっていた。

 ショイグ氏は、ロシアが2014年に併合したクリミア(Crimea)半島での大規模な軍事演習を視察した際、「部隊はわが国を確実に守る能力を示した」として、「南部・西部軍管区における点検を縮小する決定を下した」と表明。部隊の恒久基地への撤収は23日に始まり、5月1日までに完了すると述べた。

 欧米諸国は、ウクライナ国境近くでのロシアの部隊増強をめぐり、同国のウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に対し、部隊の撤収を繰り返し要求していた。またウクライナ東部ではここ数週間、政府軍と親ロシア分離派の間で戦闘が再燃。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は、同国東部での首脳会談をプーチン氏に提案していた。

 だがプーチン大統領は22日、ゼレンスキー大統領に対し、モスクワでの首脳会談を提案。数年にわたり続く紛争をめぐる協議は分離派と直接行われるべきだと述べ、ウクライナ東部での会談を拒否する姿勢を示した。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO