【4月23日 AFP】世界最高峰エベレスト(Everest)登頂を目指すノルウェーの登山家が、新型コロナウイルスの検査で陽性となった。AFPが22日、本人に確認した。春の登山シーズンに期待をかけるネパールにとっては痛手となった。

 昨年の登山シーズンは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により大きな打撃を受けた。登山時に感染した場合、治療は困難になるが、ネパール政府はより多くの登山者を呼び込むため検疫規則を緩和していた。

 陽性となったのはアーランド・ネス(Erlend Ness)さん。フェイスブック(Facebook)のメッセージでAFPに対し、新型コロナウイルス感染症の診断を受けたと説明。病院で治療を受けており、「今は大丈夫」だと明かした。

 ネスさんはエベレストのベースキャンプに滞在した後、ヘリコプターで首都カトマンズの病院に搬送された。ノルウェーの国営テレビ・ラジオNRKによると、ネスさんの登山チームのネパール人ガイド(シェルパ)も陽性となった。

 ネスさんはNRKに「他の誰も、高地でコロナに感染しないよう心から願っている。標高8000メートルを超えると、ヘリコプターで人々を避難させることは不可能だ」と語った。

 標高が高い地点では呼吸自体が困難になるため、登山者の間で感染症が発生すると、大きな健康上のリスクが生じる。

 カトマンズのトラベルクリニック「シベック(Ciwec)」はAFPに対し、エベレストから複数の陽性者を受け入れた事実は認めたが、人数は明らかにしなかった。(c)AFP