【4月23日 Xinhua News】日本の化学大手、東レはこのほど、中国広東省(Guangdong)仏山市(Foshan)に建設した水処理膜の工場を今年半ばに稼働すると発表した。海水の淡水化や下廃水の再利用などに使われる水処理膜を製造。中国市場での製品販売は国有化学大手、中国化工集団(ケムチャイナ)傘下の中国藍星(集団)との合弁会社、藍星東麗膜科技(北京)が担う。

 同社副総経理で東レ理事の高志文(Gao Zhiwen)氏は「中国は世界の水処理産業で最も成長が早く、最も重要な市場の一つ。中国の水処理膜産業は産業大国から産業強国へと転換する重要な時期を迎えている。東レは中日合弁という形で市場を拡大することで、中国市場に適応し、水処理膜製品のリーディング企業になることを目指す」と語った。

 東レは中国が「世界最大の水処理市場」になりつつあるとの見方を示す。仏山工場では限外ろ過(UF)膜やナノろ過(NF)膜、逆浸透(RO)膜などの水処理膜製品を製造。投資額は数十億元(1元=約17円)としている。東レの中国での製造拠点としては北京市、江蘇省(Jiangsu)塩城市(Yancheng)の両工場に次いで3カ所目。藍星東麗膜科技(北京)の設立は2009年で、20年4月から東レの水処理膜製品の中国での総販売窓口を担っている。

 中国は30年までに二酸化炭素(CO2)排出量をピークアウトさせ、60年までにカーボンニュートラル(炭素中立)を実現させるとの目標を掲げている。高氏は第14次5カ年規画(21~25年)期間に中国市場ではCO2排出量を抑えるための環境対策プロジェクトが維持管理・効率向上モデルへと徐々に転換し、水処理を含む環境保護産業は大きな発展機会を迎えると予想している。(c)Xinhua News/AFPBB News