【4月24日 Xinhua News】中国農業農村部市場早期警報専門家委員会は20日、今後10年の主要農産物市場の需給情勢を予測した「中国農業展望報告(2021~30)」を発表し、中国の食糧と重要農産物の供給を確保する能力が21年に着実に向上するとの見通しを示した。

 報告書は、年内に中国の農業分野で栽培構造の最適化が進み、食糧供給と大豆生産の安定、トウモロコシの作付面積拡大を図る政策を受け、食糧3種(コメ、小麦、トウモロコシ)の作付面積が14億4800万ムー(約9653万ヘクタール)に達し、大豆は1億4千万ムー(約933万ヘクタール)以上で推移すると予測。生産量は前年比でコメが1・3%、小麦が0・6%増えるほか、トウモロコシは4・4%増の2億7200万トンに達する可能性があるとした。

 アブラナ、落花生、搾油作物の作付面積も程度の差こそあれ増加し、アブラナの作付面積は1億143万ムー(676万2千ヘクタール)に上ると見込んでいる。

 豚の飼育頭数は例年の水準に回復し、豚肉生産量は前年比19・8%増の4927万トンに達する見通し。家禽(かきん)肉、牛肉、羊肉、乳製品、水産物の生産量は安定し、やや増えると予想した。

 また、トウモロコシの輸入量は高い需要と低水準の国際価格の影響を受けて急増し、年間2千万トンに達すると予想、大豆は1億トン以上の輸入が続くとした。国内の肉豚生産の回復に伴い、豚肉、家禽肉の輸入量は前年比でそれぞれ13・4%、35・5%減少するが、乳製品と水産物の輸入量はいずれも小幅に増加するとしている。

 向こう10年の農産物の生産、消費、貿易、価格動向について、中国では農業と農村の近代化が大きく進展し、食糧と重要農産物の供給を確保する能力が一段と強まり、農業の生産構造と地域構成が明らかに改善することで農業の質と収益性、競争力が著しく向上すると分析している。(c)Xinhua News/AFPBB News