【4月25日 東方新報】中国税関総署が13日に発表したデータによると、今年第1四半期の商品貿易の輸出入総額は8兆4700億元(約140兆9120億円)で、前年比29.2ポイント増えた。そのうち、輸出は4兆6100億元(約76兆6947億円)で、38.7ポイント増加した。輸入は3兆8600億元(約64兆2173億円)で、19.3ポイント増加した。中国税関総署の李魁文(Li Kuiwen)報道官は、中国の今年対外貿易は、輸出と輸入はともに「黒字スタート」を達成し、第1四半期は昨年の第四半期の高成長の勢いを継続しているとの見解を示した。

 輸出面では、新型コロナワクチンの予防接種人口が徐々に増えたことに伴い、世界経済は回復の勢いを見せている。外部需要の改善は、中国の輸出の成長を強く後押しをした形だ。第1四半期の中国の電気機械製品の輸出額は2兆7800億元(約46兆2497億円)、前年同期比43ポイント増で、全体の60.3%を占めた。また、同期間中、防疫物資の輸出は成長し続き、マスクなどを含む繊維製品の輸出は30.6%増加した。

 輸入面では、中国の工業生産、投資、消費が引き続き回復した。中国政府が発表した公式データによると、製造業購買担当者指数(製造業PMI)は、好不況の判断の目安とされる50を13か月連続で上回っている。製造業の景気がさらに回復したことで、エネルギーなどの輸入拡大が加速している。また、米国をはじめとする主要国の金融緩和政策の影響を受け、鉄鉱石、銅鉱石、大豆などの価格の上昇する傾向にあるため、輸入拡大に拍車がかかった。中国は第1四半期に輸入商品のうち、鉄鉱石は8%、原油は9.5%、天然ガスは19.6ポイント増加した。食品関連では、大豆の輸入量は19%、トウモロコシは437.8%、小麦は131.2ポイント増加した。

 第1四半期の中国貿易データは、中国の貿易と経済の規模の大きさと回復の速さを見せた。その特徴はいくつかがある。

 まず、中国の貿易の地域分布がよりバランスのとれたものになりつつある。過去数十年間、中国の対外貿易が盛んだった地域のほとんどは東部沿岸部に集中していたが、今年の第1四半期のデータを見れば、中部および西部地域の対外貿易の輸出入は1兆5000億元(約25兆円)で、45.1ポイントの増加となり、成長率は対外貿易全体の成長率よりも15.9%ポイント高く、全国の輸出入に占める割合は前年同期比2ポイント増加し、17.8%に達した。

 それから、民間企業の活力がさらに高まったことだ。 第1四半期の中国の民営企業の輸出入額は3兆9500億元(約65兆7146億円)で、前年比42.7ポイント増、中国の対外貿易総額の46.7%を占め、前年比4.4ポイント増となった。民営企業の輸出入の成長率は、同時期の対外貿易全体の成長率よりも13.5ポイント高く、対外貿易成長の最も重要な原動力となっている。

 さらに、中国の対外開放政策の効果が現れていることだ。第1四半期は、中国の総合保税区の輸出入が41.1%増、自由貿易試験区の輸出入が28.4%増、海南自由貿易港の免税品の輸入が162.5%増となった。中国の「一帯一路(Belt and Road)」沿線国への輸出入は21.4ポイント増の2兆5000億元(約41兆5915億円)、中国は14の「域内包括的経済連携(RCEP)協定」締結国との輸出入額は2兆6700億元(約44兆4197億円)、前年比22.9ポイント増で、中国の対外貿易の31.5%を占めた。開放度が高いほど、質の高い対外貿易成長につながることが改めて確認された形だ。

 中国税関総署の李報道官は、昨年の第3四半期以降、中国の対外貿易は3四半期連続で前年比プラス成長を維持しており、この傾向は今後もしばらく維持されると予想した。具体的な傾向については今後さらなる観察が必要だとしている。世界のコロナ流行が継続する中、国際情勢にはまだ不安定要素が多い。総合的な観点から見ると、中国の対外貿易は今後、より有利な要因が増えていくと考えられる。一方で、外部からの新しい挑戦も多く、対外貿易の安定的な成長にはまだ長い道のりが必要だといえる。(c)東方新報/AFPBB News