【4月23日 Xinhua News】中国陝西省(Shaanxi)西咸新区の大堡子(だいほうし)墓地で18日、保存状態が良く、出土器物の組み合わせもそろった前漢時代初期の高位者の墓が出土した。墓の副葬品の「陶倉」と呼ばれる倉庫を模した土器からは、当時の粟(あわ)が大量に見つかった。

 大堡子墓地は西咸新区秦漢新城高荘鎮大堡子村の西にある。前漢初期の墓が密集しており、これまでに400基余りが出土している。今回の墓は形状をよくとどめており、ひつぎは既に腐朽していたが、被葬者の骨と副葬品は良い状態で保存されていた。

 墓道の東、西、南三方には、それぞれ三つの壁龕(へきがん、物を置くための凹状部分)があり、西側の壁龕から大型陶倉1点と彩絵陶倉2点、青銅蒜頭壺1点が見つかった。大型陶倉は横約1メートル、高さ約0・8メートルで、内には凝固して塊状になった大量の粟が入っていた。植物考古学の専門家によると、粟は漢代北方地区の主食の一つで、当時は蒸したり煮たりして食していた。今回の発見は、前漢初期の農業生産が既にかなりの規模だったことを示しているという。(c)Xinhua News/AFPBB News