【4月22日 AFP】ドイツの首都ベルリンで21日、新型コロナウイルス対策を厳格化する権限をアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)政権に与える法改正案に抗議するデモが行われ、数千人の参加者が警察と衝突した。

 法改正案は、新型ウイルス流行の第3波に見舞われているドイツで、全土を対象とした学校閉鎖や夜間外出禁止などの措置を講じることを可能とする内容。制限措置をめぐる連邦政府と16州の間の政治的綱引きを終わらせることを目的としている。改正案は同日、下院を通過し、上院に送られた。

 下院で改正案の審議が行われる中、ベルリンのデモには約8000人が参加し、警官2000人余りが出動。現場のAFPビデオジャーナリストによれば、警察は催涙ガスを使用し、デモ隊を強制排除した。警察によると、瓶を投げる行為や、警官への暴行、マスク着用とソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の規則違反を理由に約150人が拘束され、警官3人が負傷した。

 法改正が実現すれば、政府は直近7日間の人口10万人当たりの新規感染者数が100人を超えた州に対し、「緊急ブレーキ」として商店などの閉鎖や夜間外出禁止といった厳格な措置を講じることが可能となる。また、165人を超えた地域の学校は遠隔授業を強いられる。

 21日時点で、10万人当たりの新規感染者数が100人を下回っているのは1州のみ。一方で165人を超えている州は7つあり、人口が国内1位・2位のノルトライン・ウェストファーレン(North Rhine-Westphalia)とバイエルン(Bavaria)が含まれる。(c)AFP/Femke COLBORNE and Raphaelle LOGEROT