【4月21日 AFP】(更新)オーストラリア政府は21日、ビクトリア(Victoria)州政府が中国と締結していた巨大経済圏構想「一帯一路(Belt and Road)」への参加協定が、国の外交政策と矛盾するとして、これを破棄する方針を発表した。

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 豪政府は昨年、州政府が外国と結んだ協定が国益に反する場合、政府の権限で破棄できるとする新法を導入。同法は中国を念頭に置いたものだと広く受け止められている。

 マリス・ペイン(Marise Payne)外相は21日、同法で得られた新たな権限を行使し、ビクトリア州が2018年と19年に中国と締結した一帯一路関連協定2件、同州教育省が2004年にイランと交わした了解覚書、同省が1999年にシリアと結んだ科学協力協定の計4件を破棄すると発表。これらの協定は「オーストラリアの外交政策に矛盾する、あるいはわが国の外交関係の弊害となる」と説明した。

 豪中両国はこのところ、貿易や太平洋地域での影響力をめぐる争いで対立。中国に対しては、一帯一路構想にかこつけ、地政学的・経済的な影響力を得ようとしているとの批判が出ている。(c)AFP