【4月22日 AFP】(更新)ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は21日、年次教書演説を行い、ロシアとの関係で「一線を越える」行為には厳しい措置で応じると述べ、米欧をけん制した。一方、ロシア国内では野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏の支持者らがデモを行い、NGOによると1000人以上が警察に身柄を拘束された。

 演説の最中には、ナワリヌイ氏の支持者らがデモの呼び掛けに応じて国内各地で集結した。矯正労働収容所に収監されているナワリヌイ氏は現在、ハンガーストライキを行っている。

 警察は直ちにデモ隊の拘束を開始。ナワリヌイ氏の側近2人も拘束された。デモでの拘束者数を記録しているNGO「OVDインフォ(OVD-Info)」によると、サンクトペテルブルク(St. Petersburg)のデモ参加者350人以上を含め、全土で1000人以上が拘束された。

 プーチン大統領は演説の中でナワリヌイ氏に触れなかったものの、ナワリヌイ氏の待遇や、ウクライナ情勢、スパイ疑惑をめぐる外交官追放などで対立する欧米諸国をけん制。ロシアはすべての国との良好な関係を望むものの、それが弱さと見られるならば「厳しい」対応をすると警告し、「ロシアに対する関係において、一線を越えようとは誰も思わないことを願う」と述べた。

 またプーチン氏は、自国の新型コロナウイルス対応とワクチン開発を称賛し、秋までに集団免疫の獲得を目指す方針を表明。「わが国の科学者らは真の躍進を遂げている。ロシアには今、3種の信頼できる新型コロナウイルスワクチンがある」と述べ、国産ワクチンを評価した。

 同氏は先週、ワクチンの2回目接種を受けたと公表。しかしどの製薬会社のものかは明らかにしていない。プーチン氏は演説で、ワクチンだけがこの感染症をなくす唯一の方法だと訴え、接種を受けるよう改めて呼び掛けた。(c)AFP