子どもや若者の感染者・死者増に懸念、インドの新型コロナ
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【4月26日 AFP】新型コロナウイルス流行の新たな波に見舞われているインドでは、子どもを含む若年層の死者数が懸念すべき水準に達している。
アジャイ・シン・ヤダブ(Ajay Singh Yadav)さん(39)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で命を落とした親友のラジ・カラン(Raj Karan)さん(38)と、最後にビデオ通話をすることしかできなかった。
北部ラクノー(Lucknow)でAFPの取材に応じたヤダブさんは「精神的にすっかり落ち込んでいます…ビデオ通話でしか顔を見ることができませんでした」と語った。
人口13億人のインドでは、1日の新規感染者数が30万人を超え、当局は対応に追われている。45歳未満の感染リスクが高まっているのは、通勤や外食の機会が多いからだと述べる医師もいるが、明確なエビデンスはない。
インドは年初にはパンデミック(世界的な大流行)に打ち勝ったと考え、また大規模なワクチン接種も開始していた。
しかし病院では、高齢者の方がリスクが高いとされていたこの感染症の患者にもっと若い層が加わるという新たな現象を含め、新規感染者数の増加に医師らが警鐘を鳴らし始めていた。専門家らは、感染急拡大の背景にウイルスの変異があるのかについて解析を急いでいる。
■子どもたちも病院に
インドでは人口の65%が35歳未満のため、新型コロナが若年層に及ぼす影響への懸念は高まっている。
デリー首都圏のアルビンド・ケジリワル(Arvind Kejriwal)首相は、新規感染者の65%が45歳未満だと語った。
インドの医療調査当局は感染者の人口統計的な内訳を把握していないが、主要都市の医師らは、来院する患者に若者が増えていることを認めている。
西部ムンバイ(旧ボンベイ)にあるP・D・ヒンドゥージャ国立病院(P.D. Hinduja National Hospital)のコンサルタントは、新たな感染の波では12歳未満の子どもたちも入院していると言う。「去年は、子どもが入院するケースは、まずなかったのですが」と語る。
インドの新型コロナ関連データを集計している「Covid19india.org」によると、ITの中心地である南部ベンガルール(旧バンガロール、Bangalore)では4月初め、感染者に占める40歳未満の割合が、前年の46%から58%に増加していた。